アネモネの花
アネモネはとても個性的な植物だとご存じでしょうか。
大抵の被子植物にあるものが、アネモネにない・・?
実はアネモネには花びらがありません。
花のように見えるひらひらしたものは、がくなのです。
花びらがなくても良いのか、という疑問がわいてくるのですが、そもそも花びらの役割とは何でしょう。
花びらの美しい色に誘われて昆虫は花に集まってくる・・・
アネモネの場合、がく片が大きくて色がきれいですよね。
がく片と花びらと両方あってもいいんじゃない?
それでもいいんじゃないかしら・・・
がく片は紫色で花びらは水色・・なんていう花があってもいいかもしれません。
けれど、花びらもがく片も両方に栄養分を注ぎ込むということになりますと、沢山の養分が必要となり、種を作るという一大イベントを控えている植物にとって、できるだけ余分な栄養は使いたくないですとね。
つまり、花びらのように大きく色鮮やかながく片があるなら、花びらは不要ということになります。
そんなわけで、用無しの花弁は退化してなくなってしまったのではないかと言われています。
これとよく似ているのは、クリスマスローズやアジサイです。
クリスマスローズは花びらはあるのですが、花びらとしての役割をがく片が果たしていますので、目立たなく小さいです。
そしてその小さな花びらは蜜腺の役割ももち、葉のように緑色をしていたりします。
一方アジサイは花びらに見えるがく片の中央に小さな花を咲かせますが、その花は種を作ることができない見せかけの花なのです。
アジサイの花の中を探って、枝分かれした花軸を調べてみますと、小さな小さな花が咲いていて、それが種になります。
ところでアネモネは一度植えますと、毎年春に芽を出します。
原種系の花は、わりとと小さめで小さなものは3センチほどのものもあり大きめでも、4〜6センチほどです。
タンポポの種と同じように、綿毛の付いた種を作りますが、もしゃもしゃの『ワタ』という感じです。
花芯に見えるくろいぶぶ中央の濃い紫の部分には、沢山のめしべがあり、その一つ一つが種を作ります。
とても個性的なアネモネ。
あなたは、大きくて華やかな園芸品種がお好きですか?
それとも原種系の可憐な花がお好きですか?